【企業がつなぐチカラ】地域のニーズに寄り添いながら若者や女性が釜石復興のまちづくりに参画する地域創生プロジェクト 金融機関UBSグループ

[いわて三陸 復興のかけ橋]

スイスに本拠を置くグローバル金融機関のUBSグループ*は、平成23 年から 5ケ年計画で東日本大震災津波の被災地復興支援を継続している。平成24 年からは(一社)RCFのスポンサーとなり、釜石復興のまちづくり・地域創生プロジェクトのため4名のコーディネーターを釜石市に常駐。プロジェクトではこれまでのべ799名のUBS社員が、23,262 時間に及ぶボランティア活動を行ってきた。UBSはこの取組によって、平成27年11月に厚生労働大臣表彰、平成28年3月には社会福祉法人 東京都社会福祉協議会 東京ボランティア・市民活動センター主催第1回『企業ボランティア・アワード』を受賞している。

今回のプログラムのメイン作業の1つ、木材チップを掘り起こす作業

今回のプログラムのメイン作業の1つ、木材チップを掘り起こす作業

今春は3月4日(金)~3月6日(日)の 3 日間にわたり、釜石市で30名の社員によるボランティアプログラムが以下の内容で実施された。
① 「第4回女性のためのワインセミナー」
② 馬と暮らす古民家「南部曲がり家」リノベーション(協働先:三陸駒舎)
③ 県営平田災害公営住宅 コミュニティガーデン整備(協働先:釜援隊)
④ 根浜避難道メンテナンス作業(協働先:宝来館、釜石地方森林組合)
⑤ 箱崎半島「潮風トレイル」整備(協働先:環境省、宝来館)
⑥ 子どもたちの放課後学習支援(協働先:三陸ひとつなぎ自然学校)
⑦ ワカメ収穫作業(協働先:小白浜・花露辺地区の漁師)
⑧ 菜の花畑農作業(協働先:ユナイテッドグリーン)

このプロジェクトでは地域のニーズに寄り添いながら、若者や女性など多様な市民がまちづくりの意思決定過程に参画する、住民主体の取組を推進している。「ラグビーワールドカップ2019」の開催や橋野鉄鉱山の世界遺産登録を契機とした交流・活動人口の増加を見据え、馬と暮らす古民家・南部曲がり家活用の事業化を目指す(一社)三陸駒舎の設立に貢献しているのも一連の活動の1つ。馬とともにある暮らしの再生と、子どもたちへのホースセラピーを提供する基盤づくりのため、空き家となっている古民家のリノベーションを続けている。今春には、近々導入する馬のために馬場(放牧地)を整備。さまざまな部署から社員が集まり、インド、イギリス、フランス、ブルガリア出身の社員と日本人社員の総勢20名が2日間にわたって力を合わせ、遠野の製材所から購入した木材チップ80立米分を搬入し、馬場を整備した。水分を含み、半凍結状態で重量を増した木材チップをシャベルで掘り起こす作業はなかなかのハードワークだ。

平成27年のUBS社員による社会貢献活動の参加率は65%に及んだ。釜石での活動はリピーター参加者も多数とあって、重労働でもチームワークで効率を上げてこなしていく。子育てを終えた女性社員は「週末時間が取れるようになり、今までできなかった活動に取り組めるようになった。他部署の社員とも知り合う機会が増えた」と言い、初参加という若手の男性社員は「東北の被災地についてはニュースで見聞きするだけだった。社内プログラムがきっかけとなり今回ボランティアとして参加することができた」と活動を通じたプラス面も語っていた。

*UBSグループは、日本において、UBS証券(株)、UBS銀行東京支店、UBSグローバル・アセットマネジメント(株)の3法人で事業を展開する。

記事提供:復興支援ポータルサイト「いわて三陸 復興のかけ橋」